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ラーメン店店主に聴く!2代目が挑む飲食店の育み

山村:さて今回のゲストは宇都宮市にある 元祖手打ちつけ麺、江戸一店主の麦倉邦治さんをお迎えしています。江戸一さんは、昭和50年に創業され、現在麦倉さんが2代目としてご活躍をされています。きょう、お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。

麦倉:はじめまして。麦倉と申します。

山村:何度かお店のほうに伺って、おいしいラーメンをいただいてきて、今回ぜひこのはぐくみラボでお話を聞かせていただきたいなと思って、お越しいただいたんですけれども。まず先ほどご紹介したように、昭和50年に創業されたわけですけれども、麦倉さんは何年くらい、2代目ということですけれども、何年頃から江戸一のほうに来られているんですか。

麦倉:今のお店の場所に移転してからは17年目なんですが、前身は県庁の西角で先代が、父親なんですが、そのときから通すと25のときなので、もう26年目になりますね。この江戸一で携わってきたのは。

山村:そうすると、25歳のときにどちらから宇都宮に来られたんですか。

麦倉:鹿沼で前身ではレストランのほうでコックのほうをやっておりまして、それが、そのときのご縁とかで嫁ぎ先と言いますか、今のお店のほうに移ったという経歴ですね。

山村:その前は洋食とか和食とか。

麦倉:あの時代だとレストラン、洋食のレストラン。ハンバーグとかパスタとかそういう、あとは立食でのパーティーとかそういうのも小さくやってたところがありまして、今はないんですけれど、そこで一応料理のほうを担当させていただいてて。

山村:洋食から中華って、あまり抵抗はないもんですか。

麦倉:料理を作るっていうので、お客さまに提供するっていうのでは同じだと、本質は同じだと思うんですけれど。もともと自分もラーメンが好きでしたし、シンプルなもの、麺とスープとかっていう具材、そういう面白さも興味もありましたので、それがタイミング良く今の状況になったっていう形になりますね。

山村:その具材の面白さって、ちょっと今、一瞬聞き逃しそうになったんだけど、今ちょっと引っかかっちゃったんで、その具材の面白さってどういうことなんですか。

麦倉:ラーメンはやっぱり豚骨とか鶏ガラとか、あとは魚介系でしたら煮干しとかかつお節とか、そういうものの組み合わせって言うんですか。それで一つのスープになるので、誤魔化しが効かないっていうのもありますけど、あとは麺を合わせれば本当にシンプルにラーメンのどんぶりの中に入ってしまえばラーメンになってしまうので、後に上に乗せる分はお好みで変えれることができるんですけど、もともとはスープと麺がメインなので、足し算というかあれがやっぱり難しいというか。

山村:洋食とか和食では具材の面白さってあまりないんですか。

麦倉:そういうわけではないんですけど、一つの器でってなるとラーメンのほうが。コースとかじゃないので。

山村:そこに全部が入るから。

麦倉:サラダとかハンバーグとか、最後デザートまで、コーヒーまでとかっていうわけではないので。ドンって出せばそのまま、スープがなくなれば皆さん終わりというか、一つのものとしては終わりなので。それだけ皆さん引きつける、クセになるっていうのがラーメンかもしれないんですけど。

山村:江戸一さんは元祖手打ちつけ麺って、屋号って言うんですか。そういうふうに付いているんですけど、この江戸一というのはどなたかが、東京なのか江戸なのかにいらしたんですか。

麦倉:一応、うちの義理の父親が東京のほうで修行して、そのときの屋号が江戸一っていう屋号になりまして、それを宇都宮に修行終わりまして、持って帰ってくるときに屋号をいただいて、それで宇都宮で元祖つけ麺の今のスタイルをやったのがうちのお店なので、元祖つけ麺っていうことでそのまま屋号を名乗ったというか、立ち上げたっていうのを聞いております。

山村:そういうある意味先代の方が味を作って来られてるのかななんで、そこに入って、それをまた引き継いでいくわけですよね。そこって何か苦労されたところとかあるんですか。

麦倉:やっぱり入りたての頃だと、どうしても常連さんというのは、長い方では十何年近く通われてた方がいらっしゃるので、1年、2年ではできない、習得できないことなので、教わりながらっていうのはあったんですけど。

山村:お客さんのところに持っていったら、先代の味と違うとか言われたことはあるんですか。

麦倉:そのときは、今の場所に移ってから、移ったというのを逆に、逆というか逆手に取って、同じものを作っても人が変わったじゃないですか。先代と私と厨房に立つときの姿っていうのが違うので、審査されてるっていう部分もあるとは思うんですけれど、たまたまどうせ味が変わったとか、前と違うとかそういうふうに言われるんであれ・・・言われるんだろうなって思ったので、基本の先代の味は残しつつ、半分ぐらいまでは今のお店の場所に移ったときに変えました。

山村:じゃあ、俺の味を作っていくんだと。

麦倉:変わったって言われるのはもう使命なので、必然なので、前のお店になかったメニューももちろん入れましたし、ただ今本当にオーソドックスなつけ麺というスタイルのメニューは先代からだとほとんど変わってはいないメニューにはなってます。ただ、その他のメニューは、多分今まで食べてた方にとっては、「うん?」って引っかかるところでは、それで離れた方も多分いらっしゃると思いますし、改めてこれでもいいなって言われて、方もいらっしゃるので、先入観で言われるのも間違いないと思うので、その時点で変えた部分は多々あります。

山村:自分の味を、先代の味も半分引き継ぎながらなんだろうと思いますけれども、でもその自分の味を出していくときに、どんなことを思いながらやってらしたんですか、その頃を振り返って。

麦倉:結局、昔は自分の考え的にも10人中8人ぐらいがおいしいとか、おいしいというかお金を出して食べていただけるっていうメニューは、安全牌っていうのもおかしいですけど、保険を掛けてるような感じで作ってたんですけど。やっぱりラーメンって競合も皆さんありますし、どうしても逆転じゃないですけど半分でもいいから、10人中4人でも5人でもいいから、やっぱりこれなんだよなって言ってくれるように、逆にあえてお叱りも受けるようの覚悟で途中から意識は変わったと思います。

だから一口、二口食べて帰られる方っていうのは、本当にごく1人、2人だったんですけど、そういう方もやっぱりもちろん前のお店からすると、変わったなって一言言って帰る人もいらっしゃいますし、それっきりお見えにならない方ももちろんいますけど。どうしてもそういう人の意見でブレるんだったら最初からそれでいいかなというのは割り切ったところはありますよね。

最初はどうしても不安で仕方ないので、全員の意見聞いてまとまらないとか、最終的に本当にあれっていう原点に戻れなくなっているときもありましたし、やっぱりそれこそ意見を聞き過ぎて、どうしてもブレてきちゃったので。それだったら自分の好きなもので、変な話ですけど駄目だったら駄目でいいやっていうのは割り切ったところはもちろんありますよね。自分の今の店で16年目の最初のときには、それで駄目だったら畳めばいいかなっていうのもありましたけど。

山村:これだって、この味だって思った瞬間っていうのは覚えていらっしゃるんですか。

麦倉:やっぱりうちは麺を作ってるので、それに合ったときというか。お客さんが一口麺だけを食べ、おそばじゃないですけど麺だけすすってうなずいてくれたときとか、そういうときは小さくガッツポーズですよね。

山村:今、スープに話してたんだけど、やっぱり麺なんだよね。麺をご自分で打ってらっしゃって、スープ以上にやっぱり麺にこだわっていらっしゃるんですか、今は。

麦倉:うちはどうしても元祖つけ麺ということで40何年前から、皆さんの認知度が上がる前からはやっておりますので、やっぱりその頃から、創業当時からの製麺機も使って、足で踏んでコシを出したりとか、そういう滑らかな喉越しの麺は、そこだけは全然先代と変えてないので、スープのほうだけですよね、変えているのは。

山村:麺作りでこだわっているのは、足で踏むこと。

麦倉:そうですね。あとは保存料を入れないとか。添加物はどうしてもゼロではないので、かん水自体が添加物なのであれなんですけど。その他の保存料とかは一切使わないで、お子さまとか、それこそ誰が食べても安心していただけるようには、その分大変なんですけど、そこはもう先代からは40何年間変わってませんね。

山村:どれくらいの量を打つんですか、1日。

麦倉:1日ですね、1人前一玉の玉数で言うと、200から220ぐらいになりますね。それをずっと毎日追っかけていくというか。

山村:日によってやっぱり違うもんですか。

麦倉:違います。

山村:天候によってとか、気温によってとか。

麦倉:だからそれはもう水分、加水率って言うんですけど、冬はどうしても粉が乾いちゃうので、そこに入れるお水というかかん水のやつは、数パーセントずつズラしていくというか。夏はどうしても湿気があるので、最初から粉が、粉自体がもう水分若干含んでるので、その分を手触りとか本当に手で触ってみて、最後微調整は本当に数百CCなんですけど、20キロとかの粉にはなるんですけど、そこに対して1パーセントとか2パーセント、200CCぐらいの前後で差してくいうか。それで決まんなかったら終わりなんで。

山村:例えば、今決まらなかったらって言ってたけど、決まらないなとあることはあるんですか。

麦倉:あります。

山村:その場合どうするんですか。

麦倉:それはお客さまにはほとんど多分分からないところだと思うんですけど、あとはもう茹でる時間を10秒単位でズラしてくというか。加水率というか柔らかくできたときは早めに上げる。硬くできたときは20秒ぐらいとか、秒単位でちょっと長めに茹でて、帳尻というか一番ベストなところには行くようにはしてるんですけど、どうしても難しいので。それはもう完全に勘になっちゃうんですけど。

山村:自分で手打ちの麺作ってると、一般的なラーメン屋さんなんて、なんてって言っちゃあれだけど、ラーメン屋さんは機械打ちとかが多いじゃないですか。そういうのを例えば食べたときに、やっぱ駄目だなって、そういうふうに思うんですか。

麦倉:それは本当に店主さんというか、そのお店のマッチングなので、それがベストだとして出してるんでしょうから、それはもう何ともうちのほうとかは言えないんですけど、ただ今の店主さんは多分皆さん結構そういう意味ではこだわってるので、自家製麺のところも相当多くなりましたし、製麺所さん的にもある程度オーダーに、個々のオーダーには応えてきてるので、理想に近い麺は多分作られてるので、そういう部分ではそんなに大きな大差は今はないと思いますね。

山村:でも、そばなんかは手打ちのそばと機械で打ったそば全く違うじゃないですか。風味も違うと思うし、食べた感じももちろん違う。私は手打ちがやっぱり好きなんで、あまり機械で打ったものはあまり食べたくないなと思うんだうけど、ラーメンもやっぱりそういうところというのはあるもんなのかね。

麦倉:ありますね。だから、ある程度食べて、私は食べれますけど、これはどこどこ製麺所さんかなとかそういうのは、「うん?」って気付くとき、分かんないですよ。正解は分かんないですけど。これはなっていうのは思うことはあります。

山村:でも麺作りって、今の話を聞いてると、この番組も育むっていうことをテーマにしてるんだけど、麺作りってやっぱりそれだけ気候によっても違うし、気温によっても違うとか、その辺の逆に言うと体調とかによっても変わるわけでしょ? だから本当に育んでお客さんに出すって感じなんだね。

麦倉:生き物って言われたら、多分生き物になっちゃうかもしんないですよね。どうしても疲れたときとか忙しかったりすると、ちょっと踏む時間とか、それをちょっと怠けようかなとか、若干・・・。

山村:怠けることあるんですか。

麦倉:ないと言えばうそになりますよね。でも、どうしようかなと思って、そのときはやっちゃって、麺を切ってできたときに、やっぱりあれですよね。

山村:もうちょっと踏んでおけば良かったって。

麦倉:これお客さんに出して気付かれちゃうかなっていう後ろめたさって言うんじゃないですけど、手抜いたかなっていう。で、お客さんがちょっと進み具合が、はしの進み方が遅い、遅くなるように見えたりすると、こっちはあれですよね。

山村:気が気でなくなっちゃう。

麦倉:明日からちゃんとやります。ごめんなさいっていう、それはあるんですけど。でも、うちの生命線は麺なので、やっぱり1日たりとも人には任せてませんし、やっぱりそこだけはどうしても、どんなときでもやっぱりあれですよね。

山村:その麺の作り方っていうのは、先代から変わってないってお話だったですけれども、その先代の作り方っていうのを結構細かく教えてもらったんですか。

麦倉:細かくというか、本当に手を抜かないってことだけでしたね。粉をミキサーで掛けるのの分数とか、そういうのは全部、この粉に対して加水率はいくつとか、そういうのはもう本当にアバウトというか、大体の目安は付けますけど、あとはもう失敗というか、納得したらお客さんに出せばみたいな感じだと思うので。1回お店が変わったとき、変わって製麺機が壊れたときに、壊れたというか調子が悪くなったときに、やっぱりお客さんに気付かれてしまって、「人が変わった?」って言われたときがあるんですよ。

そのときはまさしく私が臨時で2日、3日を打った日なんです。先代がちょっと体調悪いときに、どうしても営業しなくちゃならないので、今までのノウハウじゃないですけど、それは覚えてたので、自分でも行けると思ったんですけど、まんまとお客さまにバレまして。何が違うのかなっていうのはあったんですけど、でもやっぱり見えない部分だったんでしょうね。

山村:気持ちの部分?

麦倉:はい。で、その後ちょっと一緒に見てたんですけど、そのときに本当にヒントじゃないですけど、あっみたいな。俺やってなかった、この本当のちょっとした工程とか。

山村:例えばどんなことがあったんですか。

麦倉:本当に最後の仕上げの水ですよね。おそばさんの最後、回し水じゃないですけど、あれじゃないですけど、同じくやってるつもりだったんですけど、本当にちょっとパって入れるんですよ。それが私としては自分で一気にやっちゃってる部分があったんでしょうけど、最後に本当に加減っていう、本当に昔から職人さんは言うんですけど、そのあれをパッて。私が作った麺も、こうやって手で最後つかんで、最後にちょっとお玉で水をパって入れるんですよ。

それを私は気付かなかった。それがお客さんに思いっきりバレてしまったっていうのがあったので。それを今の店主さんとかは、ある程度マニュアルで数値化してるので、昔みたいにそういうふうにはやらないんでしょういけど、私らの場合は見て覚えるとかの世界だったので、本当にそれをやるようになってしばらく、でも1カ月ぐらいは駄目でしたね。

山村:その加減が分からないってこと?

麦倉:ゆる過ぎたとか、入れ過ぎたとか、少なす・・・怖いから今度入れなくなると、今度は硬くなったりとか。入れ過ぎると、材料を無駄にしたくないのでちょっと、それこそゴルフのパットじゃないですけど、全部ショートしてしまうみたいな。突き抜けやいいのにっていうのに、自分で損したくないので、材料とかも。そうすると手前で手前でうじうじやってる感じになってって、結局はそのライン越えられないっていうのは一時期ありましたね。

山村:とても分かりやすい話だな。本当にわかりやすい。

麦倉:本当にメンタルが弱いので、多分どうしようってたのが結局麺に表れて、結局最終的にはその麺も無駄にして逆にもったいないことしたなっていう感じにはなったと思うんですね。そのときはだいぶ捨てましたし。ただそれがあって麺、今の麺になったっていうのはあるんでしょうけど、やっぱりものを捨てるっていうのはどうしても飲食業としては捨てたくないので。

せっかく作った方が、生産者がいらっしゃるので、できるだけロスはゼロに近付けたいんですが、どうしてもそれは必然になっちゃったので、今で考えればですよ。あとはもう従業員で全員分けて、それで、その分は全部食べたりとか、できる限り捨てないようにはしたんですけど。ただ、作るのが200玉とかになっちゃうので、さすがに全員で食べてもはけきれない。だから知ってる人に、ちょっとこれ商品になんないから食べてとかっていうことはあったんですけど。それはちょっともったいないなとは思いましたけど。

山村:今年は2月ぐらいから新型コロナウイルスの感染問題って非常に大きな問題で、飲食店の皆さんも非常にご苦労された。ニュース等でもお聞きしてるんですけど、麦倉さんのところのお店とかはいかがでしたか。

麦倉:一番影響を受けたのは、4月、5月のちょうど本当に真っただ中ですか。非常事態宣言が出たときが、本当に初めての、何ごとも初めての経験でした。どうしても飲食関係とかが出たっていうか、飛沫の関係とかそういうのでどうしても影響が多々あるっていうことで、やっぱりどうしても小さいお子さまとかそういういらっしゃるご家族とか、そういうのは本当に激減を致しましたね。

山村:今は感染予防策とか何かされるんですか。

麦倉:一応入り口にアルコール消毒液とか、あとは従業員のマスクとか、あとテーブルに一食ごとに、帰られてからの消毒とか。あとはテーブル数を減らしたりとか、できる限りのことは思いつく範囲ではやってるつもりではいますけれど。

山村:だいぶ今はまた回復はされてきてるんですか。

麦倉:一応9月下旬ぐらいからご家族の方はある程度は戻ってきてる感はありますけれど、いまだに、うちちょっとお持ち帰りとかテイクアウトもやってるんですが、どうしてもお子さんにうつしたくないとかそういうのがあると、ご主人というか親御さんだけが取りに来て、持って帰るというのが、今年が本当に顕著に表れてる動きというか。

今までは本当にそんなことは、麺類なので、ラーメンなので伸びたりいろいろしちゃうので、持って帰るよりは中で食べたほうが絶対においしいというのは皆さんご存じなので、持ち帰りというのは本当によっぽどだったんですけど、今年はそれが多いっていうことは、どうしてもまだちょっと気にされてる方は、気にしないというのはおかしいんですけど、気にされてる方はやっぱり今年はものすごく目に見えて動くようになりましたね。

山村:麦倉さんのお店は麺だけではなくて、チャーシューとかほとんどものを手作りなんですよね。あのチャーシューは本当においしいですよ。皆さんにぜひ召し上がってほしいんだけどね。

麦倉:そう言っていただけるとあれなんですが。

山村:でも、そこにもやっぱりこだわりがあるわけでしょ?

麦倉:お肉、うちのお肉を仕入れてる業者さんというのは多分、宇都宮で豚肉に関しては多分ナンバーワン、ナンバーツーぐらいのお店なんですね。もともと40何年付き合って、取り引きしてる会社なんですけど、そこはもう牛肉とかも一切扱わず、豚だったら負けないっていう、そういうお店屋さんというか卸さんなので。どうしてもここの銘柄でっていうのを全部うちは指定して、その分を取ってもらってるっていうのもあるんですけど。

もともとその業者さんっていうのは、豚肉に関してはうちは、注文とかそういうのはもう付けなくても本当にいいものを持ってきてくれるので、それが逆に。素材がいいので、私らみたいな人間でもうまく作れるっていうのは作れちゃうんでしょうけど。

山村:そんなことないでしょう。腕でしょうね。

麦倉:本当にうちはシンプルなので、味付けにしても調味料にしても、全然他のものは入れてないので。

山村:そのシンプルっていうのがいいよね。やっぱり飽きないだろうしね。

麦倉:やっぱりどうしてもあんまりチャーシューが我が強いと、どうしてもスープ負けちゃうとかなので、あまり昔からイジらないっていうのはやっぱありますよね。

山村:麺作りにこだわったり、いろいろなそういったサイドメニューって言うのかな、そういうことにも手作りでこだわってこられて。この番組は育むっていうことがテーマなんですけれども、これから江戸一、だいぶ歴史も、歴史も作られてきている中で、これから江戸一どんなふうに育んでいきたいですか。うちのお店で扱ってるお米とかも、多分、皆さんご存じかもしれないですけど、ブリッツェン米とか、古賀志でちょうどやってるお米、幼なじみが代表を務めてるお米なんですが。

麦倉:そういうのもやっぱり使ってはいるんですけど、そういうある程度の年代になったので、皆さん業態で、個人個人がある程度の責任のあるポジションというか、そういう方がある程度多くなってきたので、やっぱりお米とか野菜とかそういうのもそうですけど、横の本当につながりというのが、うちもともとあまりなかったので、これから1人じゃできないことっていうのもいっぱいあると思うんです。

お客さんがいないとお店は無理ですし、業者さんがいないと、うちの味も出せませんし、人生経験されてる先輩がた、諸先輩がたもやっぱりいらっしゃるので、その人の意見も聞いたりとかそういうのもあるんですけど、お子さんとかが安心して食べれる食材とかそういうのも、やっぱりこれからどうしてもそういう時代になってくるし。あとは廃棄の問題とか、今テレビとかでどうしてもいろいろ余分な。

山村:フードロスの問題ですよね。

麦倉:フードロスもあるので、一人一人がどうしても少し意識しないと、結局お水でもなんでもそうですけど、蛇口開ければどこの水も飲めれるなんていうのは日本ぐらいのような感じもしますし、そういう部分ではやっぱりみんなで横につながって、やっぱりこのコロナじゃないですけど、本当に助けていかないと駄目なので、これからもそういう時間も作って、今まではお店ばっかりだったので、そういうので話し合っていけたらなとは思いますね。

山村:きょうは元祖手打ちつけ麺、江戸一店主の麦倉邦治さんにお話を伺いました。麦倉さん、きょう、ありがとうございました。

麦倉:ありがとうございました。

ラーメン店店主、2代目の話をもっと聞きたい!

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